2011/02/05

大学院進学の心得―失敗しない指導教員の選び方

2月に入り、私の住む地域でも急にぐっと春めいてきました。私の勤める大学の私が所属する学科でも、卒論の面接口頭試問が始まり、初日であった昨日、さっそく5人の学生の副査を務めました。卒論とはいっても(失礼!)、みんななかなかしっかり書いていることに感心。。。

さて、この新規オープンしたブログをさっそくウチの大学の自分の周辺にいる学生にも宣伝したこともあり、1月31日付けのブログ「日本の文系大学院はリスク多し」を読んで、大学院進学に対して学生からさっそくいくつかの相談をいただきました。その相談の内容は、一言でいってしまえば、「指導教員を選ぶ際、できるだけリスクを少なくするにはどうすればよいのか」といった大学院での指導教員の選び方についてです。

たしかにこれはなかなか難しい。ある意味、大学院を選ぶより難しいことです。何せ自分自身、これで失敗した経験があるものですから。。。自分の出身大学・学部・学科に直属の大学院であれば、内部の事情や先生についてもだいたい分かりますが、外部の大学院を志望する場合、その先生の専門分野、書いている論文といった以外に情報がほぼないのがネックです。

そこで、外部の大学院に進学を考える場合、希望する先生の専門分野、どのような論文を書いているのかなどといったベーシックな情報を集めることはもちろんですが、それ以外にぜひ必ずやっておきたいことは、その先生に直接お会いして進学の相談に乗ってもらうことはもちろん、可能であれば希望する先生にお願いして、最低1年間は希望する先生のゼミに参加させてもらうことです。ゼミへの参加が無理であれば、通常の講義授業でもよいでしょう。(きちんとプロセスや礼儀を踏まえた上で丁寧にお願いすれば、良心的な先生であれば不親切な対応をすることはまずあり得ないので、この段階でそっけない対応をするような先生だったら、いくらその先生が研究者として優れていて有名な先生でも避けた方が無難です。)

なぜこれが重要かといえば、少なくとも1年間、その先生のゼミなり講義なりに参加していれば、その先生の考え方や方針、また性格やお人柄がだいたい分かるため、はたして自分に合う先生かどうか、安心して付いていって大丈夫な先生かどうかがかなり確実に見極められるからです。ホームページなどにはふつうはいいことしか書かれておりませんので、それに大きく頼って判断してしまうのは極めて危険です。

もし希望する先生が遠方の大学で、毎回の出席は無理な場合は、1年のうち何回かゼミや講義に出席させてもらう形でもよいでしょう。そして、そこでその先生の学生と仲良くなって情報を仕入れるようにする。さらに、今はメールが普及しているので、だいたい1年間くらいだけでも続けてその先生とやりとりをしてみること。ある程度の期間、定期的にその先生とメールのやりとりをしていれば、返事の内容や反応だけでも、先生のお人柄というものがけっこう確実に分かるものです。

何せ自分の研究者としての将来を託す先生。先生のリサーチは超重要。もちろん、普段の自分自身の努力が大切なことは言うまでもありませんが、付く先生の判断を誤れば致命的。大切な自分の将来にもかかわりかねないのですから。。。仮に1~2年進学が遅れたとしても、大学院に進学を本気で考えるのであれば、あとあとお金と時間を無駄にしないためにも、このプロセスは絶対に怠らないでほしいものです。

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